日本CTO協会の新卒合同研修で実感したエンジニアとしての急成長

はじめに

初めまして、求人ボックスカンパニープロダクト本部プロダクト開発2部プロダクトチーム 新卒1年目の番場です。

5月から6月半ばまで、日本CTO協会主催の新卒エンジニア合同研修2025に参加しました。本記事では、新卒合同研修での各講義の内容と、そこから得た学び、そして実際に成長を感じた点についてご紹介します。

特に新卒エンジニアの皆さんや就活生の方々に、外部研修での学びと成長機会をお伝えできればと思います。

目次

参加の経緯

2025年4月に入社し、4月末に新卒エンジニアとして求人ボックスに配属されました。私の技術的なバックグラウンドとしては、大学での基礎的なプログラミング学習や、AI関連の研究、個人での趣味プロジェクトのWeb経験はありました。しかし、インターンシップなどの実務経験はなく、最新技術や実務で必要とされる多くのスキルについてはまだまだ十分とは言えない状況でした。

そのため、現在急成長している求人ボックスへの配属は、新しい技術にチャレンジできる期待感がありつつも、様々な不安を感じていました。さらに、新卒エンジニアが自分1人という環境で、どのように成長していけばよいのか、その道筋が見えないことも大きな課題でした。

そんな中、弊社の技術広報から本研修のお話をいただきました。 昨年この研修に参加した先輩エンジニアから、貴重な経験ができたということを聞いており、強い興味を持って参加を決意しました。

昨年の先輩エンジニアのレポートはこちら

新卒合同研修の紹介

本研修は日本CTO協会が主催する新卒エンジニア向けの合同研修です。

昨年の公式レポートはこちらです。

「採用だけではなく育成を」 ──日本CTO協会が提示する、エンジニア不足時代の解決策。スタートアップ・中小企業の声に応える企業横断「新卒エンジニア合同研修」が2年目に突入 -2024年度参加者エンジニアの声も公開-

日本のエンジニア不足という課題を解決するために、業界全体でエンジニアを育てる試みとして2024年度から開催されています。 研修は5月14日から週1回、計6週間にわたってオフラインで行われました。

この研修は全ての週で参加する必要はなく、目的に合わせて自由に参加する回を選択できます。 私は自分に足りていないスキルを明確にしたいということもあり、すべての講義に参加しました。

第1回 Google Cloud のスペシャリストと学ぶ! BigQuery & Gemini(講師:グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

第1回目はグーグル・クラウド・ジャパン合同会社の講師による「Google Cloudのスペシャリストと学ぶ! BigQuery & Gemini」でした。Googleのデータ分析ツールであるBigQueryとAIのGemini、NotebookLMの使い方を通してAIの活用方法を学ぶ講義でした。

近年のAIやデータサイエンスの急成長は凄まじく、学生や経験の浅いエンジニアにとっては十分なキャッチアップが困難な状況です。

私は学生時代にAI関係の研究をしていたものの、実際のビジネスでの活用方法や、最近注目を集めているAIツールの実務での活用に不安を感じていました。この講義では、AIツールの実践的な使い方を学ぶことで、これらの不安を解消したいと考えていました。

BigQueryについて

前半は、Google Cloudの山田(@nii_yan)さんによるBigQueryの講義でした。

BigQueryはGoogle Cloudが提供するフルマネージドのAI対応データプラットフォームです。今回の講義を通じて特に印象に残った点がいくつかあります。 まず、設計思想の明確さが際立っていました。データ分析に必要なさまざまな要素が1つにまとまっているため、分析の障壁が大きく下がり、サーバーレスアーキテクチャによってインフラ管理の手間も最小限に抑えられています。

また、BigQueryは時代の変化に合わせて進化し続けている点も魅力的です。非構造データへの対応や、ストリーミングデータのリアルタイム分析機能、さらにはAIとの連携による分析の効率化など、最新のニーズに柔軟に応えられるプラットフォームだと感じました。 こうした具体的な活用例を知ることで、BigQueryの実用性と将来性をより強く実感できました。

求人ボックスには様々なデータ分析のニーズがありますが、BigQuery特有の機能を活用することで、これまで実現できなかったサービスの提供や業務全体の効率化にも繋げられるのではないか、など多くの可能性を感じました。 特に、エンジニアでない方でも使いやすい設計という点は、チーム全体でデータ活用を進める上で重要なポイントだと感じています。

GeminiとNotebookLMについて

後半は、若手の方によるGeminiとNotebookLMの講義でした。Geminiについては、使い方や使いやすさに加えて、AIに指示を出す際のプロンプトの書き方についても詳しく学びました。AIがどれだけ優秀であっても、適切なプロンプトを構成し、継続的なフィードバックを重ねることが重要だと理解できました。

NotebookLMについても実際に触れながら学習しました。これは、ユーザーがアップロードしたPDFなどの資料から情報を抽出・分析できるAIリサーチアシスタントツールです。一般的なLLMのチャットAIと異なりアップロードした資料に限定して分析するため、情報ソースが明確で信頼性の高い結果が得られます。

さらに、資料の内容をポッドキャスト風に解説するAI音声機能など、ユニークな機能も体験できました。この講義を通じて、AI時代における適切なツールの使いこなし方について深く考えさせられました。

講義後の懇親会はGoogleのオフィス内の食堂で開催され、他社の新卒エンジニアと交流しながら、それぞれが抱える課題や期待について話し合うことができました。自分だけが悩んでいるわけではないという気づきも得られ、貴重な機会となりました。

第1回渋谷ストリームのgoogle案内板 ☝️Googleオフィスの入っている渋谷ストリームには、他の施設と並んで案内板に「Google」の文字

第2回 CTOから新卒に向けた講話(講師:日本CTO協会 / 株式会社LayerX)生成AI時代のソフトウェアエンジニアとしての働き方の期待値(株式会社Progate)

第2回は「エンジニアのキャリアと組織での働き方」をテーマに、3つの講義が行われました。私自身、新卒エンジニアとしてのキャリアパスや、AIの発展による職種の変化に不安を感じていたため、興味を持って参加しました。

生成AI時代のソフトウェアエンジニアとしての働き方

第1の講義は、株式会社ProgateCTOの島津(@makotoshimazu)さんによる「生成AI時代のソフトウェアエンジニアとしての働き方」でした。 本講義で焦点となったのは、特にAIの普及に伴い、エンジニアが不要になるのかどうかという話でした。

講義の結論としては、エンジニアがいらなくなるということはないというものでした。AIの普及に伴いエンジニアが不要になるのではないかという不安に対して、CTO目線での見解を示していただきました。確かにコードを書くなどの従来業務は減少するかもしれませんが、新しい形の仕事が生まれることで、エンジニアの需要は継続するという見解でした。 私自身、エンジニアとしてコードを書くことに固執していましたが、研修を終えて、どう考えるかや発想力といった面の重要性を再認識し、不安が少し和らぎました。

キャリアの考え方

第2の講義は、株式会社LayerXCTOの松本(@y_matsuwitter)さんによる、キャリアの考え方に対する講義でした。

「投資家思考」「コミュニティ」「キャリアの最初の10年」という3つのポイントを軸に話されていました。

1つ目の「投資家思考」とは、金銭・知識・経験・時間を「資産」として捉え、それらをどこにどう投資するかという考えでキャリアを考える思考です。リスクとリターンは比例するが、知識によってリスクは抑えられるという指摘もあり、納得感がありました。

2つ目の「コミュニティ」とは、友人、同期、家族などのコミュニティの中での視線や、悔しいと思う「健全な嫉妬」によって「宣言→実行→発信→承認」というサイクルが習慣化され、自分の努力が支えられるというものです。

3つ目にはキャリアの最初の10年が重要という点も指摘されました。可処分時間の多く、資産の少ない最初だからこそ大きい投資で資産を増やし、方向性を定めて取り組んでいくことで資産・能力を尖らせ、他との差別化を図っていく必要があります。

自分としては3つ目の「キャリアの最初の10年」が3つのポイントの中で最も印象に残りました。何も定まっていない新卒という立場だからこそ、自分がどの方向に歩みを進めるべきかを主体的に考えることの重要性に気づかされました。 この視点を得たことで目指すべき地点が明確化され、結果として自分の視座も一段引き上げられたように感じています。

これら3つの考え方は、エンジニアに限らず、社会人全般に当てはまると思います。最初の期間は分からないことも多く、指示に従うだけの時期もあるかもしれませんが、その中でも自分のキャリアのための準備を怠らないことが、それらをより良いものにしていくと解釈しました。

フォロワーシップとマネジメント

第3の講義は、引き続き松本さんが担当され、「フォロワーシップとマネジメント」に関する講義でした。

まず指摘されたのが、マネージャーの仕事は管理だけではないという点でした。

マネージャーの重要な仕事として、「メンバーにモチベーションと納得感を与えるとともに、事業・組織の目標を明確化する」が挙げられました。 チームの力は一人ひとりのモチベーションと能力の掛け算の総和であり、全員がモチベーションと専門性など能力を発揮できた時に大きな成果が出ます。そのため、マネージャーはメンバーにモチベーションを与え、それを向けるべき目標を提示していくことが大きな仕事と言えます。

私自身マネジメントについては、まだ十分に理解できていない自覚がありました。そのため、今からできることも含めて教えていただいてマネージャーの大変さを今までとは別の視点で認識できました。

最も考えさせられた点としては、チーム成果に貢献するため「マネージャーがマネジメントできるように支える」ことができるという点です。

マネージャーも人間なので完璧ではなく、メンバーのことをすべて理解できるわけではありません。自分を理解してもらう上で、自分が何をしたいかという自己開示と、それを相手にしっかりと伝える言語化の重要性を学びました。 これはチームの信頼関係構築において、単なるコミュニケーション以上の意味を持ったものだと実感しました。

自己開示と言語化は人間関係において基本的な行動に見えるものの、職場という環境で行うのは難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。私もその1人であり、これからは意識的に取り組んでいきたいと思います。

今回の講義は、よく言われる将来設計ということではあります。しかし、それを具体的に言語化して話していただくことで自分のキャリアに程よい緊張感を持つことができました。

もちろん、今回の講義は正解のある問題ではなく、キャリアの考え方です。100%盲信するということではなく、今回学んだことを踏まえて自分なりの正解に進んでいきたいと思います。

第3回 AWS 初学者向け合同研修 / AWS JumpStart (講師:アマゾンウェブサービスジャパン合同会社

第3回は2つのコースが用意され、参加者は自身のスキルレベルに応じて選択できました。

1つ目は、AWSが主催する初学者・中級者向けコース「AWS JumpStart」です。2つ目は、第5回で開催予定のISUCON対策として、上級者向けに提供される「AWSサービスを使いISUCONで高得点を出そう!」というコースでした。

私は「AWS JumpStart」を選択しました。これまでにも個人的にAWSを触る機会があり、EC2やRDSといった基本的なサービスの利用経験はありましたが、体系的な学習機会がなく、インフラ周りの知識に不安を感じていたため復習の意味も込めて選択しました。

当初は、基本的なAWSサービスの使い方を学ぶ入門的な内容を想定していました。しかし実際は単なるハンズオンにとどまらず、複数のAWSサービスを組み合わせたアーキテクチャ設計まで踏み込んだ、非常に密度の濃い2日間となりました。通常の業務だけでは、入社後数年経っても得られないような貴重な経験ができたと感じています。

第3回懇親会の様子

☝️イベント終了後には、オフラインでの懇親会も開催されました。参加者の多くは「AWS JumpStart」コースをオンラインで受講していましたが、懇親会には第1回、第2回と同程度の人数が集まり、大変な盛り上がりを見せました。

私自身、普段の業務ではインフラ領域に深く関わる機会は多くありません。しかし、この研修を通じて自分が開発しているアプリケーションの土台がどのように動いているのか、また問題発生時にアプリケーションだけに視点を閉じるのではなく、インフラ側に目を向けるきっかけになりました。

こちらの「AWS JumpStart」はCTO協会限定のイベントではなく、AWS主催の初学者を対象としたイベントです。毎年開催されているとのことですので、クラウドが業務に直接関係するかどうかに関わらず、新卒エンジニアの皆さんは参加してみてはいかがでしょうか。

第4回:サーバー解体研修(講師:GMOペパボ株式会社)

【会場提供】GMOインターネットグループ

第4回はGMOペパボ株式会社での「サーバー解体研修」です。社員の方に手助けをいただきながら、ラックマウント型サーバーの1つを自分たちで解体していきました。

私は以前から個人のPCの清掃やパーツ交換を通じて、内部構造について学ぶ経験はありました。そのため、サーバー機器ではどのような違いがあるのか、という興味を持って本研修に参加しました。

第4回サーバーの様子

研修は、まずCPUやストレージなどの各パーツの役割や仕組みについての座学から始まり、その後実際のサーバー解体作業へと移りました。当初は特殊な工具が必要かと思いましたが、基本的な解体作業は手作業で可能でした。

解体作業中に特に印象的だったのは、クライアントPCとは異なり、24時間365日の安定稼働を実現するための工夫が随所に見られたことです。

例えば、ホットプラグとコールドプラグのパーツが色分けされており、作業中の事故を防ぐための配慮がされていました。また、パーツの冗長性も確保されており、ほとんどのパーツが必要数に加えて予備のパーツが組み込まれているため、突発的な故障が発生してもシステムが継続して稼働できるように設計されていました。

解体中には社員の方とお話しする機会があり、最新のハードウェア事情についても学ぶことができました。例えばラックマウント型サーバーのグラフィックボードの配置方法について、「筐体の一角に集中して配置する方式」から「ファンの送風方向に沿ってグラフィックボードを横並びに配置する方式」へと進化していることを伺いました。これは熱対策として、より効率的な冷却を実現するための工夫だということです。

研修後の懇親会では、希望者向けにHDDの解体体験も提供していただき、非常に充実した内容となりました。

近年ではクラウド化が進み、物理的なハードウェアに触れる機会は減少傾向にあります。また、インフラの抽象化により、多くのエンジニアがハードウェアを意識せずにソフトウェア開発を行えるようになっています。そのような時代だからこそ、この研修を通じてハードウェアの実態に触れられたことは、非常に貴重な経験となりました。

第5回:日本CTO協会ISUCON1新卒研修 + 解説(株式会社PR TIMES

第5回はピクシブ株式会社での「日本CTO協会ISUCON新卒研修」でした。 ISUCONは「いい感じにスピードアップコンテスト」の略で、与えられた架空のWebサービスのパフォーマンスを制限時間内にどれだけ改善できるかを競うコンテストです。

題材となったWebサービスは「Iscogram」という画像投稿サイトでした。ユーザー登録、ログイン、画像投稿、コメントといった機能を備えています。各チームにはAWS EC2インスタンスが1台提供され、ベンチマークツールを使用してパフォーマンスを測定できます。ベンチマークでは大量のリクエストが送信され、それらの処理成功率とレスポンス時間に基づいてスコアが算出されます。

チームは3人1組でランダムに編成され、私のチームはフロントエンドエンジニアの方と、まだ配属が決まっていない研修中の方との組み合わせでした。全員がISUCON初参加でインフラの専門家もいなかったため、まずは開発環境の構築から慎重に進めていきました。ドキュメントを見ながら、なんとかアプリケーションを動作させることができました。いざチューニングが始まると、チームのお二人はとにかくAIに聞くということを徹底しており、そのスピード感に驚かされました。

コンテスト終了後には、株式会社PR TIMESのCTOである金子(@catasuy)さんから詳細な解説をいただきました。パフォーマンス改善の具体的なポイントやボトルネック発見の手法について学びました。

しかし、自身の技術的な課題としてインフラ技術の弱さが際立ちました。データベースへのインデックス追加やN+1問題の一部解消は実施できたものの、効率的な画像キャッシュの実装などのさらなるパフォーマンス向上までは至らず順位としては振るいませんでした。さらに、Nginxの設定ミスにより2時間程度トラブルシューティングに費やすことになり、前提となる知識がなければAIツールでも解決が難しい問題があることを痛感しました。

この経験を通じて、今後の学習課題が明確になりました。ISUCONに限らず、アプリケーションの裏側で動作する仕組みについての理解を深めていきたいと考えています。第2回の講義で松本さんが言及された「健全な嫉妬」を、まさに体験できた機会となりました。

第6回:生成AIに関する講義(講師: 日本マイクロソフト株式会社)

第6回は日本マイクロソフト株式会社での「生成AIに関する講義」です。 マイクロソフトの柳原(@yanashin18618)さんによる「生成AI」というテーマでの2つの講義でした。

今までにもAIに焦点を当てた講義は何度かありましたが、今回は生成AIが中心テーマであり、より深い内容が期待できると思い参加しました。また、Copilotの開発に深く関わるマイクロソフトの方々がAIについてどういうビジョンを持っているのかに非常に興味がありました。

前半は「Microsoftが見ているAI-NATIVE世代な世界」でした。 まず、CopilotとAIエージェントの違いが説明されました。Copilotは副操縦士として人間の行動を効率化するものであり、主体はあくまで人間です。一方、AIエージェントはユーザーの指示がなくても目的に対して自己判断し、独立して行動します。 このAIエージェントの今後の発展や、AIエージェント同士が会話してタスクをこなす「マルチエージェント」という概念についても学びました。

さらに、AgenticWEB(エージェンティックウェブ)という概念も紹介されました。AgenticWEBとはマイクロソフトが提唱した概念で、人間ではなくAIエージェントがWebを閲覧する時代、つまりAIエージェントが「ユーザーの代理としてWebを活用」する世界です。

AgenticWEBはAIの進化だけでなくインフラの整備も必要であるため、まだ先のことかと思っていました。しかし、現時点でもNLWebやMCPなど、AIエージェントを前提としたWeb標準プロトコルが整備されつつあります。そう遠くない未来に実現するかもしれません。

後半は「AI支援によるソフトウェア開発の未来」という内容でした。

これまで要件定義から設計、開発、保守運用といった一連の流れを人間が行っていましたが、AIによってほぼすべての工程がサポートされるようになります。これにより、エンジニアは「全工程をこなす万能職人」から「AIの作業を管理するオーケストラの指揮者」へと役割が変わっていくとされました。

それに伴い、開発者には以下の能力が求められるようになります。

  1. 明確で曖昧さのない自然言語で要件、意志を記述する能力
  2. 美しいコードを書くことから、いかにAIに意思を伝えられるかへのシフト
  3. クリティカルシンキング

今後のAIの進化として、2028年には完全自立駆動型開発がうまれ、2030年には人間が開発に関わるのは要件定義とAIが作ったもののチェックだけになると予測されています。

あまり聞き馴染みのない開発アプローチとして、「IntentDrivenDevelopment(意図駆動開発)」というものが紹介されました。これは、開発者がAIに対して「意図」を明確に伝え、それを理解したAIが具体的な開発作業を実行する手法です。

この手法では、開発者は具体的なコーディング作業ではなくAIに適切な指示を出して開発の方向性を導く「オーケストレーター(指揮者)」としての役割を担います。そして、AIが作成した成果物が当初の意図通りかどうかを確認・検証することで、目的に沿った開発を実現していきます。

AI駆動開発が類似のアプローチとして存在しますが、この手法はAIを主体とするのではなく人間の意図を中心に置いた開発アプローチであるため、このように表現されています。

第2回でも触れましたが、研修前はAIの普及に不安を覚えていました。しかし、今回の話を振り返って、今はワクワク感を感じています。 そしてAIによって本当に働き方が変わっていくのだと実感しました。AIネイティブの最初の世代として、意思を言葉にする力を高めていき、AIをオーケストレーションできる力を身につけていきたいと思いました。

第6回でいただいたクリアファイル ☝️参加者全員に、クリアファイルとステッカーが配布されました。

研修を終えて

研修を終えたことで、幅広いジャンルの技術を短期間で学ぶという素晴らしい経験を得ることができました。

実務のWebサービス開発では触れることの少ない技術にも取り組むことで、エンジニアとしての視野が大きく広がりました。今まで全く知らなかった技術や、知っていると思っていた技術にも新しい発見があり、非常に有意義な研修でした。

また、研修を通じて他社の新卒エンジニアとの交流することで、多くの意見を交わすことができました。同じエンジニアでも専門やバックグラウンドは様々で、自分のキャリアと成長の方向性を見つめ直す良いきっかけになりました。

私はファーストキャリアとしてWebエンジニアを選びましたが、他の多様な技術にも興味が湧いてきました。このブログを執筆している今は、AIや機械学習関連の技術に挑戦したいという意欲が高まっています。AIの進化に伴い、それらに関する学習の機会や教材が豊富になっているため、興味を持った技術やツールには積極的に触れていきたいと考えています。

キャリアについて悩んでいる方は、現在のスキルに固執せず、他の技術にも目を向けてみてはいかがでしょうか。新しい視点や可能性が広がるかもしれません。

今回の研修で得た知識と経験を活かし、個人として成長を続けるとともに、求人ボックスの課題解決に向けて積極的に貢献していきたいと考えています。

最後に、この研修を提供していただいた日本CTO協会と関係各社の皆様に心より感謝申し上げます。

おわりに

今回の研修で得た知識と経験をぜひ実務でも活かしたいと考えています。

私の配属された求人ボックスは、現在急成長のフェーズにあります。月間ユニークユーザーは1200万人を突破し(2025年3月実績)、今なお増加を続けています。また、Jobcubeブランドでの海外展開も進めており、グローバルな求人プラットフォームとしての成長を目指しています。

弊社全体としても、従来のサービスの枠を超えた新しい価値の創造に向けて変革を進めています。今回の研修で触れたような技術を含め、様々なことが経験できる時期であると思っています。

ご興味のある方は、ぜひ弊社採用ページにて、求人ボックスをはじめとした求人情報をご覧ください。


  1. ISUCON」は、LINEヤフー株式会社の商標または登録商標です。