推し本紹介:IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」

システム本部デベロッパーエクスペリエンス室のQAエンジニア、伊藤由貴(@yoshikiito)です。

今回からこのカカクコムTechBlogにて、「#私の推し本」という企画がスタートしました!

私が紹介する推し本はこちら。

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」』です。

本の概要

この本は初版が2010年に発売された、大分前の本です。そのため細かいところ(イベントプラットフォームのATNDなど)で今はもうないものも出てきますが、2023年になった今でも充分役に立ちます。それだけ本質的なことが書かれている、と言えるでしょう。

読んだ動機

私が読んだのも10年くらい前なので定かではないのですが、確かきっかけは著者の1人が「渋川よしき」さんで、私と下の名前が一緒だから興味を持った記憶があります。 もちろん中身にも興味があって、本書が理想としている

仕事が終わってからもついつい勉強してしまうような、「楽しく学び続ける」人

になろうという話にとても共感してもいました。

2017年に個人ブログにも感想を書いていたのですが、2023年になっても陳腐化していないです。

参考:『IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」』 - テストウフ

本書の推しポイント3つ

ここからは、本書で私がとくに推したい、発売から10年経っても変わらず大事だと思っているところを3つご紹介します。正直3つに絞れないくらい色々あるのですが、私がだらだらと紹介するよりは読んでもらったほうが早くて正確です。読んでください。

つまみぐい勉強法、の考え方そのもの

タイトルにもある「つまみぐい勉強法」は、要するに「勉強する対象が変わったとしても、常に何かしら勉強していよう」というものです。

「勉強」という表現から、なにか苦しみながらとか、我慢して歯を食いしばってやるといったイメージを感じることもあります。しかし、楽しくない状態では結局続かなかったり、身につかなかったりとメリットが少なくなります。

一般的には、1つのトピックを一定レベルに達するまでじっくりしっかり取り組むのが素晴らしい、と言われるかと思います。つまみぐい勉強法ではそこの縛りをある意味ゆるめていて、

  • そのときどきで興味の対象が移り変わってもよいので、勉強自体は継続的にやっていこう
  • そのほうが「楽しい」状態で勉強ができる

と本書には書かれています。この考え方には、共感できる方も多いのではないでしょうか。

攻めの勉強法と守りの勉強法

じゃあ楽しみながら勉強を続けるにはどうすればいいの?という点も本書には書かれていて、大きく2つ「攻め」と「守り」の勉強法として紹介されています。

ざっくりいうと

  • 守りの勉強法:いまやっている仕事に関連していて身につける必要があることや、やっている仕事の改善などにつながることを学ぶ
  • 攻めの勉強法:いまの仕事には直接関係ないかもしれないけれども、興味があることを幅広く学ぶ

という違いがあります。

両方大事ではありますが、本書では守りのほうが始めやすいということで、守り→攻めの順で広げていくことをオススメしています。

それぞれ複数のテクニックが紹介されていて、以下が一例です。

  • 守り
    • 情報の調べ方
    • 質問の仕方
    • 情報の質
  • 攻め
    • 勉強時間を作る
    • 本の探し方・選び方
    • ブログを書く、翻訳をする

家庭を持っている人の勉強法

最初読んだときは好き放題時間を使える状態だったので読み飛ばしていたのですが、実際に小さい子供が居る状態になると本当に切実です。

たとえば子供が居る状態でどうやって皆勉強時間を確保しているのかや、(コロナ前の本なので)夜に開催される勉強会や懇親会に出ることに対して家族にどう理解してもらっているのかなど、現実的な話もでてきます。

また、「いつ勉強しているか」というアンケート結果も載っていて、やはり早朝や深夜、土日や通勤時間などが多めのようです。 私自身は早朝が苦手なので、主に深夜時間帯と、余裕があるときは朝の出勤前を少しだけ使って勉強しています。ただ、やはり時間自体は子供が生まれる前に比べるとどうしても減ってしまっています。

そして本書の最後に「独身のうちにやっておくべきこと」というコラムがあります。ざっくり言うと、時間の自由が利くうちから積み重ねておこう、という趣旨のことがかかれています。 ここは強く共感したポイントでした。

私はものすごく独身時代になにかやっていたというわけではないですが、勉強やコミュニティ活動などをやっていたおかげで、時間がとりづらくなった今もギリギリなんとかなっているかなと感じています。家庭を持っている人が少ない自由時間で勉強を継続するためには、家庭を持つ前に備えておくことが大事、ということですね。

まとめ

エンジニアであれば勉強は一生続くことなので、やはり「続けること」をもっとも重視する、そのために「楽しみながら」を意識するのはとても大切なことだと思います。

本書を読めば普段書くコードの質がものすごく上がる、とかそういう類の本ではないのですが、参考にしながら勉強することで3年5年というスパンでじわじわと効いてくるんじゃないかと思います。

古めの本なので紙だと手に入りづらいかもしれませんが、出版元の技術評論社のサイトやAmazon等で電子版も販売されているため、ぜひ読んでみてください。

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