推し本紹介:エンジニアリング組織論への招待


システム本部のデベロッパーエクスペリエンス室(以降DevX室)の新田です。このたびこのブログで「#私の推し本」という企画を始めたので、やはり言い出しっぺ(?)としてはちゃんと推し本について書いておかねばなるまいという気持ちで筆を執っております。
というわけで、私が紹介する推し本は広木大地さんの『エンジニアリング組織論への招待』です。

なお正真正銘の推し本なので、著者にサインしてもらいましたし別途電子書籍も持っています

どんな本?

エンジニアリングを進めていくと必ず直面する『わからないこと=不確実性』とどのような思考で向き合い、どのように対処していくのか?ということについて、組織(集団)の原点である自分(1人の人間)・自分と相手(2人の人間)・チーム(数人の人間)・組織(より多数の人間)と少しずつ視野を広げながら、それぞれのフェーズで必要なことを解説している本となります。2018年に書かれた本ということで、いまちょっと調べていていやもうそんなに経ったの?とびっくりしているところですが、正直発刊して5年も経ったとは全く思えないほど素晴らしくモダンなエンジニアリング組織についての書籍となります。

何度読んでも発見があり、行き詰まったときに読むと答えがある

エンジニアリングの組織で働いている場合、何かしら困ることがあったらとりあえずこの本をめくると、何故か必ずどこかに答えがあります。自分のなかではバイブルです。
具体的には、例えばこういったことについて過去実際に悩んだ際、「これエンジニアリング組織論に書いてたやつだ!」となりました。

  • 1on1でメンバーとありきたりな話しかできていない
  • メンバーが仕事に対して言われたことしかやらないように見えるし、日々面白くなさそう
  • リファクタリングしないとヤバそうだが、上司にリファクタリングの重要性を理解してもらえず工数が取れない
  • チームがギスギスしていてどうにも働いていてしんどい
  • アジャイル開発を始めたが全然うまくいかないし生産性も上がらない
  • 見積もりでバッファを積みまくってしまい、全然当てにならない工数となる
  • 属人化された作業や領域を解消したい

不確実なものをどうやって確実にしていくのかを通じて俺たちはメンタリングされる

全編にわたって共有されるキーワードは『不確実性』と『メンタリング』です。
この書籍では『わからないこと=不確実性』について、『わからないことを大きなところから小さなところへ少しずつ明らかにしていくことで、不確実性を下げていく』というアプローチで不確実性に立ち向かう方法が書かれています。冒頭で不確実性の種類に応じて『方法不確実性』『目的不確実性』『通信不確実性』の3つに分類しており、いきなり『不確実性の不確実性が薄れる』ということに取り組んでいます。自分が行き詰まり悩んでいる原因の不確実性は一体どの分類に属するのかを理解するだけで、即一歩前進できますし、当然ながらそれぞれの分類に応じた解決策が示されています。
また、この書籍は対人間の手法としてまずメンタリングの概念と技術について説明していますが、先立っての不確実性へのアプローチも含めて、どうも書籍全般を通じて著者が読者自身に対してメンタリングを試みているような構造となっていると考えます。
そのためか、読後に頭の中のモヤが晴れたような感覚になり、これから自分やチームのもつ課題に対して、どういうアプローチで解消に向かおうかと非常にポジティブな気持ちになることができます。

まとめ

エンジニアリングと関わっている以上、誰かと働くということから我々は離れることができません。その時発生するエンジニアリングに関わるさまざまな悩みについて、この本は確実に何らかの答えを出してくれます。文句なし、手放しでオススメできる一冊です。

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